灼熱の火焔山はオマーンにあった! 熱過ぎる! 負けないでよかった。 アウェーの対オマーン戦 [サッカー日本代表]
2008年6月7日現地時間午後5時15分 オマーンで2010南アフリカWC第3次予選アウェーでの対オマーン戦。
試合開始前から、オマーンの過酷な試合環境は伝わっていたが、自分の影しかないピッチ。 温度38度、湿度45%。 とてもじゃないが、サッカーをする環境か? 6月2日に日本代表勝利の後、スコットランド、グラスゴーの現地のメディアに、中村俊輔選手が日本代表として、オマーンでアウェーの試合に出場することが記事になっていたが、40度にもなるオマーンの気候に触れていて、スコットランドやイングランドの選手にはとても耐えられないサッカーやるような場所じゃない・・・と記者がコメントしてた。
南米の高地も確か1500メートル(?)以上の場所はFIFAの公式戦のサッカー・スタジアムとして認定しないというような記事があったが、温度もその規制の対象にすべきじゃないか?
さて、選手入場の際に日本代表の選手達が映し出されていたが、誰もがゲンナリとして表情。 覚悟の暑さとはいえ尋常ではない。 三蔵法師を守ってインドまでお経をとりに行った孫悟空の話に火焔山という灼熱のなにも生物のすめない岩の山がでてきたが、今回のオマーンの試合会場のことではないかと思えるほど。
ピッチの上に散らばる選手達。 足元は自分の影だけ。 このような暑さで日本代表選手はどのくらい動けるのか? 前半開始早々、シュートをけったのはオマーンの選手。 立ち上がりは日本代表もパス・ワークもしっかりしており皆動いている。
10分を過ぎて、オマーンの右コーナーよりのFKのこぼれ玉をうまくゴール前より少しはなれた位置で得たオマーンの選手がシュートで先制点。 この選手は、試合開始早々シュートして気を放った選手。 日本代表は、FKをまずは逃れたと少し注意力がとぎれてしまったのか、ディフェンス陣の間を抜かれてしまった。
一方、左ライン際の危ない位置までオマーンに攻め込まれると、中村俊輔選手が右サイドから斜めに駆け上がって、スライディング・タックルでボールを奪う。 この暑さでも凄いじゃないか。 日本代表のユニフォームは汗でぐっしょり。 選手の体の線がくっきりと浮き出る。
その後、中村俊輔選手を中心に波状攻撃をかけるも、オマーンのGKがファイン・セーブ。 中村俊輔選手のスルーパスにゴール前でドンピシャで合わせた大久保選手の鋭いシュートや、左CKで遠藤選手のキックに高い位置で合わせた中澤選手のヘディング、そして中村俊輔選手の右サイドからの非常に角度もスピードもあったミドル・シュートなど、すべてオマーンのGKによって阻止されゴールを割れない。
オマーンは最初の先制点に気をよくしており、6月2日の横浜日産スタジアムで3:0で負けたチームとは思えないほど、落ち着いている。 カウンター攻撃を時折しかけるも、日本代表のディフェンスが何とかまにあって大事にいたらず。 ただ1点先取されているので、ここは何とか、はやく同点にしなくてはならない。
前半は0対1で終了。 後半の開始には日本代表だけが定刻にピッチに現れた。 皆表情は先の試合開始前よりは落ち着いている感じ。 試合開始時間になってもオマーンの選手は現れず。 相手をじらさせるというよりもオマーン流の感覚を通している・・・ということらしいが、公式戦の意識がないのか? 温度は少し下がり35度だが湿度は54%くらいにあがり、蒸し暑さは一段と。
後半開始早々、日本の立ち上がりはリズミカル。 右SBの長谷部選手のパスを受けて、PA内で玉田選手がゴール前左にドリブル突破をかけると、オマーンのディフェンスが思わずファウル。 PKをゲット。 PKを蹴るのは遠藤選手。 得意のコロコロPKを披露。 オマーンのGKは海外で活躍している名GKらしいが、完全に遠藤選手に逆をつかれて、棒立ち。 遠藤選手小躍りで喜ぶ。 同点に追いつく。
もう1点が欲しいのはどちらも同じ。 ここでオマーンに勝てば、日本代表は予選突破濃厚だし、オマーンにしてみれば、ここで敗れたらもう先はない。 そのため、攻防はより激しさをます。 この灼熱の、蒸し熱くて息苦しいピッチで激しいとなると、ファウルやラフ・プレイが続出ということに。
まず闘莉王選手がオマーンの選手が日本のゴール前右に攻め込んできたのを止めようとファウルを犯し、PKを献上。 オマーンの選手には余程遠藤選手のコロコロPKの印象が深かったせいか、それともこの熱さのせいか、力のないシュートを蹴り、楢崎選手が横っ飛びにファイン・セーブ。 良かった。
次は左サイド攻撃で玉田選手のスピードあるクロスを受けた大久保選手がゴール前で滑りこんでシュートする際に、相手GKと絡み合ってしまい、大久保選手、腹が立ったか、立ち上がりざまにGKに軽く足でジャブを出したところを審判に見咎められてレッド・カード一発退場。 と、同時に松井選手の胸をついたオマーンのディフェンダーもレッド・カード。 10人対10人の戦い。
日本代表は攻めの姿勢を崩さず、再三オマーンのゴール前に攻め込む。 オマーンは堪らず再三ファウルを犯すも、相手にイエローでず、露骨ではないが、審判も「中東の笛」ぽい。 明らかに日本代表が優勢なのに、ファウルを取らないのはおかしい。
後半ロスタイム。 日本代表は選手交代。 さきに途中交代した山瀬選手(松井選手のかわり)、今野選手、矢野選手。 オマーンは必死の反撃。 そして試合終了。 1対1のドロー。
選手交代は、闘莉王選手のファウル時頃に代えたほうがよかったと思う。 やはり疲れがでているとファウルしやすいし、その後そのままプレイしても戦力としては一段下がってしまうから。
日本代表、灼熱の火焔山で負けなくてよかった。 中村俊輔選手の圧倒的運動量と正確なパスやシュートは目立った。 最後まで冷静だったのは遠藤選手。 やはり経験値がものをいった過酷な試合。
「中東の笛」じゃないか・・・と思えた審判団が最後に中村俊輔選手の側に寄ってくると、肩を組み記念撮影。 いや~もっと公平な審判してよ、そんなに中村俊輔選手が素晴らしい選手だと認めているのなら。
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