オマーン戦で遠藤選手の“コロコロPK”をもたらした中村俊輔選手の「察知力」 [サッカー日本代表]
週に3回発売されているピンク色のタブロイド判"ELGOLAZO"、サッカーが好きな人は知っていると思う。 毎回買うわけではないが、6/12付けを購入した。 表紙はユーロ2008のオランダ対イタリアのグループCの緒戦で、オランダが3対0でイタリアに大勝した写真を載せている。
オランダ対イタリアの試合、10日の早朝目覚ましをセットしてTV観戦したけど、スピード溢れる試合展開で90分、素晴らしい戦いぶりだった。 オフサイド判定?とまだ取りざたされているが、ファンニステルローイの巨漢がピッチを素晴らしいスピードで突破していく様や、スナイデルのボレー・シュートなど惚れ惚れした瞬間。 イタリアはこのオランダのスピードに振り切られ、攻撃も平凡・・・と感じられるほど。
さて、6/12付けの記事のなかで、面白い視点のがあった。 それは六川則夫というカメラマンでPHOTOエッセイも発表している人の「見たまま、撮ったまま」
キャプションは「PKを譲った中村俊輔」
LiveでTV観戦をしていると配信された映像がすべてだと、つい思ってしまうが、現場でその瞬間を狙って、仕事にしているカメラマンらしい視点。
オマーン戦では玉田選手へのファウルで日本代表がPKをゲットして、遠藤選手のコロコロPKで同点に追いついた殊勲のPK成功みたいなことになっている。 ほんの数秒の間にもドラマがあったということだ。 六川氏の簡潔な文章を少し引用する。()内はLalaが補足。
「・・・オマーン戦で、最も印象的だったのはPKのシーンである。 中村俊輔(この試合ではキッカー1番目と定めてあった)がボールを持って、PKのポイントに歩みよったが、すでにそこには遠藤と、その後方に倒された玉田(スポーツ紙によれば、中澤選手と玉田選手が、「蹴るのは遠藤」がいいとその場でいったらしい)がいた。 ・・・興味深くレンズ越しに眺めていたが、俊輔は遠藤にボールを渡し、何事か声をかけた。
一瞬の葛藤と納得、僕はそんな風に感じられた。 それは、楢崎が止めたPK以上に、この試合で僕が、最も興奮したシーンだった。 深いタックルをする、ボールをチェイスする、そんな以前の俊輔「らしからぬ」プレーよりも、局面にあった最良のプレーを選択する彼の「察知力」が、「PKを譲る」という、プレーが止まった状態で発揮されたのは、今後の彼の位置が、代表でさらに重要なものになってくることを物語っている。」
写真はモノクロで、中村俊輔選手の後姿、笑顔の玉田選手、中村俊輔選手を尊敬の目で見つめているオマーンの選手、俊輔選手が差し出しているボールに、手を出そうとしている遠藤選手。 遠藤選手はすこ~うし泣きそうなそれでいて嬉しそうな微妙な感じ。
さて、六川氏が言及している「察知力」は、5月30日に発売された新刊本のタイトルでもある。 Lalaも2日前に購入したが、すでに2刷になっていた。 かなりのかたは買われたと思うので内容はここでは書かない。 最後の「あとがき」の日付は2008年3月で、中村俊輔はこのように締めくくっている。
でもまだ終わったわけではない。
スペインでプレーしたいという夢もある。
日本を強くしたいという目標もある。
現役選手として、やるべきことはまだたくさんある。
先のことはわからない。 でも、ひとつだけわかっていることがある。
僕は、一生サッカーを追いかけていく。
これは間違いない。 中村俊輔
正に、継続は力なり。
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