FIFAが分析するパス・サッカーとカウンター・サッカー(3) [ヨーロッパ・サッカー]
3月20日の横浜Fマリノス対川崎フロンターレの試合。 前半8分の中村俊輔選手のミドル弾はブレ球で無回転球。 そのYouTubeの画像は、夜中に見つけてLalaの3月20日の記事に追加でUPしたけど、もとはといえば、セルティックのサポーターのファン・サイトMonTheHoopで見つけたもの。
さてFIFA3月号の分析記事の続き。
バルサのほうがボールを長くキープし、しかも正確なボール配給だった。
表1 バルサ エストゥディアンテス
ボールをキープする間のタッチ数/選手 2.25 1.73
試合中のチーム・タッチ数 2,253 903
ボールを出すまでの維持(秒)/選手 1.23 0.80
試合中のボール維持計(秒)/選手 117 35
ボール・ポゼション(%)/チーム 65 35
表2
試合中の成功パス数 620 188
成功パス率(%) 84 61
敵陣での成功パス数 324 82
敵陣でのパス率(%) 53 47
敵陣での成功パス率(%) 81 57
スピードと正確さは両立するか?
バルサの成功パス数は629本だが、エストゥディアンテスは3分の1にも満たない188本。 バルサのパス成功率は84%、エストゥディアンテスは61%。 下の図の青い矢印は成功パスを、赤い矢印は失敗パスを表すが、バルサはピッチ全体でボールを支配していたし、敵陣でもほぼ同じだが多少失敗パスも。 一方エストゥディアンテスは自陣では兎も角、敵陣では失敗パスが多い。 両チームとも、自陣と敵陣でのパス数はほぼ50%づつ。
これはエストゥディアンテス
こちらはバルサ
バルサは正確さと、ボール・コントロールに長け、敵陣でも81%のパスの成功率を誇るが、エストゥディアンテスは57%。 敵陣では特に、運だのみのパスを出して、簡単にバルサにボールを奪われてしまったエストゥディアンテス。 カウンター・アタックで兎に角スピードを持って敵陣にボールを入れる戦法に始終せざるを得なかったということ。
とは言いながら、この報告書はUEFA Euro2008からの考察として、現代のサッカーにおいては素早い切替と動きが大事な要素としている。 ゴールの3分の1はカウンター攻撃や素早い切替によるダイレクト・アタック(手数をかけない直接攻撃というような意味)によるもの。 ということは何がなんでもバルサ・ブランド(流)のサッカーでなくてはならないということではない。 (続く)
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