イギリスのリバプール大学にはフットボール産業研究科がある・・・らしい [ヨーロッパ・サッカー]
2010年3月30日 少し古いがセリアAのインテル対ローマの試合が夜ご飯の友。 夕食というには夜遅くに食べ始めたので。 ローマが2対1で勝った試合。 スナイデルとエトオとミリトのインテル。 悉くゴールを掠めながらも得点できず。ミリトってなんかオシムさんの若い頃はこんな感じの選手だったのではないかと思う。
日本経済新聞が結構サッカーについて記事を掲載することがあることは時折書いているが、2010年3月30日にも面白い記事を載せていた。 タイトルは「イングランドサッカーの本質とは 大英帝国の攻撃性 脈々」 リバプール大学のテイラー教授にインタビューしたもの。
その説明に、フットボール産業という言葉があるので、リバプール大学にはフットボール産業を研究する科があるのではないだろうか。
さて、リバプールのサポーターというテイラー教授の説明のなかで、イングランドサッカーやイタリアサッカーについて核心をついているとおもわれる部分を紹介する。
・サッカーのルールをつくったのはイングランド人だが、サッカーを戦術面で発展させたのはスコットランド人(マンチェスターUのファーガソン監督は元レンジャーズの選手で、スコットランド人)
・イングランド人はサッカーの草創期にスコットランド人からサッカーをならった歴史がある。 当時、スコットランド人は戦術眼に優れているので、「プロフェッサー(大学教授という意味)」と呼ばれていた。
・世界にはイングランドやドイツなどが属する「オールド・フットボール・ワールド」と、日本、米国などの「ニュー・フットボール・ワールド」がある。 前者のサッカーはその国の歴史や社会のあり方や文化が反映したもので、それぞれ特徴があるが、後者にはまだスタイルがない」
・オールド・フットボール・ワールドのサッカーは(ユニフォームの色がわからない)白黒テレビで音を消して見ても、どこのチームかがわかる。 それぞれのチームはその国の人々のメンタリティを表現している。
・イングランド人は非常に攻撃的な精神を持ち、ときには残酷にもなる。 忠誠心、チームワーク、助け合いの精神を大事にし、強い精神、闘志、情熱で物事を進める。 大英帝国が消滅してから、その精神がどこで生かされているかというと、サッカーにおいてに決まっているじゃないか。 いいことではないが、その精神性はフーリガニズム(フーリガンとよばれる熱狂的なファン)にも表出している。 イングランドサッカーとはそういうものだ。
・遊びでサッカーをしようということになって、ポジションを決める時、イングランドでは一番うまい人間をFWにする。次にMFを選ぶ。DFにするのは体が大きくて、ボールを遠くにけることができるだけの人間だ。
・イタリアでは違う。 才能があって、何でもうまい選手はDFにする。 この考え方の違いが、両者のサッカーに表われている。 イタリア人(カッペロのこと)が監督になったからといって、イングランドのサッカーの本質は変わらない。 結局、イングランドは体力任せのサッカーをする。 イタリアのように洗練されることはない。 高い技術があるわけではないし・・・
今度トルコ代表監督に就任するヒディンク監督も新しい国ではその国の歴史や国民性を知るようにしているといっていたことにも相通じるし、オシムさんが日本らしいサッカーを目指していたのを思い出します。
因みに、ロシア代表はスロベニアとのプレーオフでのアウェー・ゴール差で2010年南アWC出場を逃したのだが、ほとんど勝利を信じて、試合前夜にロシア代表の選手達が前祝の大量の飲酒をしたというのが敗因。 こればかりはヒディンク監督もコントロールできなかったらしい。
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