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対コートジボアール戦後の選手コメントから浮かび上がる日本代表の問題点 [2010FIFA南アWCに向けて]

2010年6月4日の日本代表対コートジボアール戦、結局、ドログバ選手の腕骨折と今野選手の靭帯損傷という、W杯前の親善試合としては起こって欲しくないアクシデントの出た試合。

W杯直前の強化試合4戦全敗となり、修正点を発見して強化につなげるという目的だったはずだが、サッカー・ファンとして観戦しているものからしてみれば、大変違和感のある強化試合だった。 正GKの楢崎選手だって先発させないし。

6月12日の2010年南ア・サッカー・ワールド・カップ、グループ・リーグ第1戦の対カメルーン戦まで1週間。 何を強化できるのかわからないが、5日にウェブでのスポーツ記事で配信された選手のコメントから、考えてみたい。

かなりのスポーツ記事が配信されているなかで、選手のコメントをまとめているのが、Sportsnavi.

まず、どういうわけかスイス入りしてからほとんど試合に使われていない内田選手(高地トレーニングに適応できていないという記事もあったが)

「今さら球際がどうとかなんて感想はない。ただ、自分たちの良さをなくしてしまったような気がする。(守備のやり方を変えたから?)そのことだけじゃない。しっかり戻って守るって話は前から言っていたこと。今からハットトリックできる攻撃力を出せるわけじゃないし、今までやってきたことしかできないんだから

スイス入りしてから積極的プレイで好調さが2試合先発出場の大久保選手

左サイドが全然使われていない。チャンスというか、いいところで使われていない。相手も真ん中は強いんだから、サイドに張っているんだけど、ボールが来なくて、真ん中にいかないとボールが出てこない。サイドで勝負っていうのがほとんどない。
 ゴール前のチャンスはほとんどなかった。もっともっと前に行く必要がある。右サイドにボールを入れても逆サイドを見れていないし、向こうの思ったつぼにはまっている。焦らずにキープすればもっとやれると思うけど

守備力と一発を期待されている、後半出場した稲本選手

「前でボールをもらう回数が少なかった。アイデアを出したり、2列目からフリーランニングをする選手が増えないときつい。(攻守の両立は)運動量が問題になる。こっちできつい練習をしていたから。でも後半は行こうという意識、取った後にフリーランニングする意識が出てきたんじゃないか。とにかく今は一番疲れている状態なんで、これから多少、練習量も落ちるだろうし、気持ちの部分ももっと出てくると思う。(4連敗は)ショックとか言っている場合じゃない。もう南アへ行くし、意識を挙げていくしかない。
 球際とか1対1の勝負は避けられない。そこでどれだけ体を張ってやれるか。1人でいけないなら2人で囲むとか、そういうのを続けていくしかない。確かに1対1の勝負が多かった。両サイドがもっと中に絞って逆サイドを狙うとか修正する部分はある。でも流れの中からやられていないのはプラスだと思う

2試合キャプテン・マークをつけた長谷部選手

「多少受け身になった部分はあったかもしれない。最近は前から(プレスに)なかなかいけていないので、もうちょっとやってもいいと思いますけど。なかなか勝てないけど、僕らは前を向いてやっていくしかない。カメルーン戦まであと10日くらいあるし、いかにチームとしていい雰囲気を作ってやっていくしかない。
(相手のプレスは)そんなにきついとは思わなかったけど、押し上げが少なかった。誰がどうとかじゃなく、チームとして走れていないのかなと。気候どうこうじゃなく、イングランド戦にあった強い気持ちが足りなかったと感じた。コンディションが厳しいけど、差し引いても走らなきゃいけなかった。
 みんな足元で持って考えて、というふうになっている。いいタイミングでパスが入った時はチャンスになっているし、そのスイッチを誰が入れるかだと思う。(戦い方を変えたことは)確かに僕らはシステムを変えたりしてやっているけど、今までやってきたことは基本変わらない。その延長で形が変わっただけ。今までやっていた前からボールを追うことができていないんじゃないかと思うから、もう1回自分たちのいい時のサッカーを思い出さないと

素材としての良さを途中出場ながら毎回見せる森本選手

チームとして組織されていなかったと思います。自分のやることは相手がどうでも変わらないけど、負けている状態で入って勝ちにいくために1点が欲しかった。もっとチームで連動した攻撃がしたい。守備はみんなでやっているんで、もう少し攻撃のところで連動してやっていくしかない。もともとフィジカルの差が違うから埋められないし、チームとして機能させていくしかない。
(折り返したシーンで)蹴る前に長谷部さんが見えたので、そこに走っていると思って蹴ったけどずれちゃったんで。あの時間帯でああいうボールを受けたとき、体力のない時間帯できついと思うから、1回トラップして収めるべきだったと思います

その攻撃力を買われて2試合先発出場した本田選手

「不運なところもあったけど、結果をしっかり受け止めたい。どうやっていくべきかが見えたシーンはいくつかあった。分かっている通り、単純につないでも崩せない。最終的にカウンターを使ったり、シンプルにサイドを使った時にゴール前まで行っている。自分たちの形をもっと作りたい。あとはミドルシュート。つないでばっかりいると相手も出てこなくなるから、ミドルが有効になる。後半はそういうシーンが何回かあったんで、あとは精度だと思う。日本も枠にほとんど飛ばなかったけど、よく考えてみるとコートジボワールもあんまり枠に飛んでいない。レベルの高い試合だとそんなにチャンスはないし、枠に行くシュートもほとんどない。そこでゴールを取らないといけない。
 よくいる黒人選手は身体能力だけだけど、今日の相手はすごくうまかった。体だけじゃなく、技術もボール回しも。カメルーン戦に向けて今から僕らのフィジカルが劇的に変わるわけじゃない。でも微妙なところで何とかなるかもしれない。3回のうち1回でもゴールにつながったりするし、1つ1つ積み重ねていくしか確率を上げる方法はない。こういうレベルだとミドルも打たせてもらえない。だからこそ、1本のチャンスを枠に入れることを考えたい

スイス入りしてから左足首の復調が伝えられており前よりは体の動きはよくなった中村俊輔選手

裏に出たりとか、そういう『こうなったらこうなる』という一発の形というのが本番になったら絶対に必要になる。相手が厳しくマークしてきたときでも通用するようなものがね。今までアジアのレベルでやれていたことが、あれだけ強い相手だと使えなくなってきて、『(スペースが)空いているところ』だけに(ボールを運ぶように)なってしまう。前半しのいで後半に自分たちのサッカーをするのか、そこは臨機応変に選手が対応すべきことだけど、闘莉王もハーフタイムに言っていたけど、上がっていかないと(攻撃の)厚さが増さない

 

・・・こうやってみると、予選突破を目指して、

全員攻撃、全員守備、(そのため走力強化、意識統一)

個々の選手の能力は限られているから組織プレーで連動する動き

細かいパスをつないで、揺さぶって、連動する攻撃へ

前線にサイドから早いパスやアーリー・クロスをいれて、前線には2,3人の選手が走り込んでそのボールをゴールに押し込む。

トーナメント方式の試合には接戦になるのでセットプレー強化・・・

と言っていたようだが、これらの築き上げてきた日本代表の宝はどこかに押しやって、中盤からミドル攻撃の精度とかいっているような選手がいるようなのは問題。 (現在の日本代表の中盤の選手なら遠藤選手、長谷部選手、中村憲剛選手、阿部選手、内田選手、長友選手・・・誰でもミドル・シュート蹴れるでしょ!!!)

オシムさんだって言っている。 古井戸に水が残っているのに、新しい井戸を掘るのは問題だ。 これは何も選手のことを言っているのではない。 日本代表としての戦いかたにもいえる話。

森本選手は比較的日本代表に合流するのは少なかった選手で、現在のチーム最年少だけれど日本代表の問題点をズバリ指摘している。

日本代表の戦術として守備にシフトするのはあると思うが(モウリーニョ監督がチャンピオンズ・リーグでとったインテルの戦術-完全1トップ(ミリト)9人守備、あのエトオだって必死の守備)、屋台骨であるチームとしての意思統一された連動する闘い方、アジア地区予選で高めてきた日本代表らしさを突き詰めていないという事実に、サッカー・ファンとしては問題があると思う。 

元々1トップを張れるほど強力なFW陣がいないから(以前の高原選手が1トップとして機能していた試合もあるが・・・)中盤のミドルとサイド・バックの連係で、最後のフィニッシュは2トップFWと中盤からの走りこみ(長谷部選手や遠藤選手など)というのが、今まで見た中では日本代表らしさ。 これを捨てて戦うほど、優先する選手や戦術はどこにあるのか???

精神論振り回すのは第二次世界大戦の米国に対する日本陸軍の竹やりのようなもの。 強靭な精神が必要だというのは一時的なものではなく、サッカーの試合における戦い方で、選手が備えていなければいけないファンダメンタルスの一つ・・・他にテクニック、フィジカル・・・・とか。

それに試合後に、使える選手と使えない選手・・・なんてコメント必要ない。 選手を決めたのは監督でしょ? まだ1週間あるし、最後にチーム全力で戦う試合前に不用意なコメント。 自分の選んだ選手をリスペクトしていないだけでなく、自分の眼力もなかったということになりませんか。

森本選手を2トップの1角に育てる方が先決。 黄金の中盤を復活させて、サイド攻撃見せてくれ。

TV番組で取り上げていたが、アイス・スケートの浅田真央選手は、カナダ・オリンピック前、ロシアに居つづけるコーチの力をあてにせず、外野がいう、使用する曲を変更したらとか、演技項目を変更したらとか、衣装を代えたらとか、コーチを代えたらとかという雑音に惑わされず、

ひたすら3回転半ジャンプ(キム・ヨナに勝つための自分の強み)の完成度を高めるため(ジャンプのコーチはなかった)、一人で黙々と納得がいくまで練習を重ねてオリンピック(第2位)そして、世界選手権(第1位)に臨んだように、サッカー日本代表もいままで、2年間の予選で築き上げてきた日本代表の強みを活かして日本代表らしく戦っていくことの精度を上げて、自信をもって望むのが一番必要なこと。 自分達の強みを前面に出して、それでも上には上がいる大会で結果を出す・・・ことを目指して。
 


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