2010南アWCに向けて―イタリア代表監督リッピの分析 [2010FIFA南アWCに向けて]
Sportiva 2010 3/25のサッカー記事の部分から、
名将に聞く「W杯で勝つ思考」 からイタリア代表監督マルチェロ・リッピ氏のインタビューから面白いと思ったところを再構築する。
イタリア代表監督 マルチェロ・リッピ「W杯は組織力だけで勝てる」
2006ドイツWCでイタリアを優勝に導き、2010南アフリカWCで連覇という偉業に挑む。 怜悧な頭脳で多くの修羅場を潜り抜け、勝つために何をすべきか熟知する名将。
WC出場のための予選ではイタリアは首位通過しましたが、トラパットー二率いるアイルランドには2戦とも引き分けですね?
リッピ: ・・・重要なのはそれでも我々は負けていないという事実だ。・・・求められる結果は試合毎に違う。 我々は、目的に応じて確かな試合運びをした。・・・イタリアの真の姿は親善試合やコンフェデ杯(ブラジルに完敗)ではなく、南アでみせることになる。
連覇の可能性は?
リッピ: 確率的に困難だとしても、目標にあらかじめ制限を設けるようなことはしない。 伝統国の一つとして、質の高いプレイをする義務が我々にはある。 今言えるのはそこまでだ。
2連覇という偉業達成には何が大切ですか?
リッピ: 思い出して欲しい。 2006ドイツWCで我々は組織力だけで制したという事実がある。 2連覇達成には一番大切なのは、チームワーク=組織としての固い結束。 これに尽きる。 ・・・強固な組織力は、時として自分達を上回る身体能力または技術力を持つチームを倒すための要因となりえる。 ・・・だから、どんなに優れた才能がある選手であろうとも、その選手が結果を乱す要因になると私が判断すれば、躊躇なく労働者タイプ(オシムさんのいう水を運ぶ選手)の選手を選ぶことでチームをつくる。
イタリア代表の場合、強固な組織とは強固な守備という意味か?
リッピ: その通り。 2006ドイツWCでは、イタリア・チームからゴールを奪うことは、半ば不可能だったといえる。 少なくともそのことが、世界制覇を成し遂げた最大の要因だったと私は思っている。 相手によって、また局面によって戦術を細かく変化させながら、相手チームにとって“嫌なチーム”であり続けた。 ・・・試合毎に我々は自信を強めていった。 今回、あれだけのムードを再び作り出すことは不可能に近いことも十二分に承知している。 だがそれでも、あくまでも組織力を最大の武器とするチームを作り、南アへ臨む。
現イタリア代表が持つ強みと弱みは?
リッピ: 強みは堅い守りだ。 一方、攻撃に関しては考えなければならない点が多い。 今シーズン、ジラルディーノのほかに活躍しているFWは少ない。
日本代表については?
リッピ: すべてのチームに可能性がある。 日本代表が入っているグループは、各国の力が拮抗したグループだと思うし、日本代表が上に行く可能性は決して低くはない。 むしろ、決勝トーナメント1回戦で、日本が我々の相手となるのではないか? 2006年、イタリア代表はオーストラリアと対戦したが、振り返ってみても、あのオーストラリア戦が最も難しい試合だった。 そして、今回率直に言って、同じく我々を窮地に追い込むのが日本代表になるのでは?という予感は小さくない。
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