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FIFAの特別記事“サッカー・サイエンス” [ヨーロッパ・サッカー]

2010年5月30日 イングランド代表と日本代表の親善試合のある日。

FIFA2010年5月号のなかで、興味を惹いた記事は“サッカー・サイエンス” 日本語にすればサッカー科学とかサッカー工学というところか。

記者はロンドン在住のベン・リトルトン氏 

「世界の主要サッカー・クラブや代表チームは美しいサッカー試合を目指して、より科学的メソッドを取り入れており、従来のコーチ術は時代遅れになっている。 この分野で先頭をいく技術革新派にしてみれば、まだ始まったばかり・・・・」

記事はかなり長いので要旨を日本語にする。

・・・人間心理学の面から、選手のモチベーションを高める方法や、強いリーダーシップはサッカーにとって基本的に重要な面ではあるが、最先端をいくサッカーという面ではより重要度を増しているのが、近代的な知識をもつトレーナーの役割で、そういうトレーナーが(日本サッカー協会でいえば、)技術監督やディレクターレベルにいるべきである。

この10年、サッカー界も栄養学や心理学などさまざまな要素の研究も進んできたが、これからの10年は、新しいステージ: 科学と技術の融合に入る。

この科学と技術の融合をすでにスタートさせている有名なチームがACミラン。

ミラン・ラボではバイオ・メカニカル、心理学、予防学など、選手生命を延ばしながら、チームを成功に導くための統合的プログラムをすでにスタートさせている。 ミラノ・ラボの所長のジャン・ピエール・マースマン氏によると「サッカー界では、ダッシュボードもない、何の情報も知らされず、自動車を運転する・・・みたいなことが起きている。 確かに優秀なドライバーや優秀な車はあるが、情報もない丸腰で操縦するよりは、ダッシュボードや情報があれば、もっとサッカーは簡単になる。」

マースマン氏は医療チームに40名のスタッフを抱えており、回復できる怪我については(怪我で選手生命がたたれるような重症ではないレベル)90%を減少させており、結果、ミラン・チームではAチームの選手を35名から22名に減少させている。 各選手毎日モニターされ、怪我の可能性を極力減らしている。 そしてこれが2000年~2009年の間3回もチャンピオンズ・リーグ決勝戦に進出し2回優勝した一番の要因である。

このミランのやり方に追従するチームは増えてきている。 例えば、チェルシーのアンチェロッティ監督はアシスタントとして2002年ミラノ・ラボ開設に関わったスタッフのブルーノ・デ・ミチェリ氏を連れてきている。 チェルシーでは、チーム選手はもとより将来有望と思われる(他のチームの)選手のデータベースを構築開始している。 データ分析で興味深いのは優勝した時期のゴール数よりも毎日の基礎統計が、試合中に走る距離よりはスプリント力のほうが重要であるということがわかってきたことである。

これらの科学的手法で先駆なのはスポーツ大国の米国である。

クラブ・チームとは条件が異なる代表チームでも、2006年WCドイツ大会のドイツ代表監督のクリズマン氏も米国のフィットネス・コーチを雇ったし、また短距離のスプリント・コーチを最初に雇ったのも彼。

2010年のイングランド代表監督カッペロ氏も米国流のメソッドを取り入れている。 カッペロ氏はバレーボール、野球、ラグビー、アイス・ホッケーも勉強してサッカーに取り入れている。 またスイス代表を初めて率いるオットマー・ヒッツフェルド氏も科学的メソッドを取り入れている。

これら科学的メッソドは、どう戦うかというというよりは、チームの問題点を解決するために有益な方法である。

この記事の後半は、アンチェロッティ監督がイングランドにつれてきた元ACミラン・ラボのブルーノ・デ・ミチェリ氏についてです。

 


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