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オランダ代表スナイデル選手の闘争モードに火を点けたものと対日本代表戦についての感想 [2010FIFA南アWCベスト8]

2010年7月10日 あと2つの試合を残すのみ。 3位決定戦と決勝戦。

2010FIFA南アWCで最も活躍した選手の一人として賞賛される選手にオランダ代表のスナイデル選手がいる。 今季のMVP(バロンドールやFIFA最優秀選手)はほぼメッシ選手だろうといわれていたが、ワールド・カップやチャンピオンズ・リーグで結果を出したスナイデル選手も候補になったということだ。 あとはシャビ選手も。

さて、Number 7月14日臨時増刊号 の記事のなかで、珍しくスナイデル選手の独占インタビュー

ウェイスレイ・スナイデル「彼らの言葉で素直になれた」 文 ジェラルド・ファンブロクランド

が載っていた。 スナイデル選手はメッシ選手、クリスティアーノ・ロナウド選手、ルーニー選手、カカー選手などから比べるとどちらかというと地味で、しかもレアル・マドリーに所属していたが、2009年にレアル・マドリーが思い切った選手の入れ替えをした時に、オランダ組み(ロッペン、スナイデル、ファンデルファールトなど)の選手全員が放出され、インテル・ミラノに出ていった選手。 ユーロ2008でその中盤から前線での素早い攻撃のシュートやパスで注目を集めた選手。 背も高くなく対日本代表戦でもどちらかというと170センチと小柄な選手。

スナイデル選手がこのワールド・カップについて語る。 そこから面白いと思った部分を紹介する。

Euro2008でグループ・リーグでイタリア、フランスを破って勢いに乗ったが、ロシアに完敗。

「・・・あんな思いは二度としたくない。 本当に悔しかった。 ロッペンやファンデルファールトも同じ悔しさを抱いていたはず。 だから、今大会はグループリーグで試合内容が悪くても全然動じなかった。 むしろパフォーマンスが悪くても、勝てる。 そして決勝トーナメントに進めば、プレーのクオリティが高まるはずだと、前向きになれたんだ。」

グループリーグで苦戦したのがデンマーク戦と日本戦だった。

「初戦のデンマーク戦では、かなり僕達のことを研究してきたな、と痛感したよ。 サイドのスペースを制圧され、僕もかなり激しくマークされたしね。」

「日本戦はスコアこそ1対0だったけど、もっと数多くのゴールを奪えたと思う。 去年の親善試合では3対0で勝っているしね。 誤解して欲しくないけど、決して日本のことを見下していたわけじゃない。むしろカメルーンに(日本が)勝っているから、何をしてくるか分からない怖さがあった。 去年の親善試合の前半は完全にゲームを支配されてしまったしね。 実際に今回も難しいゲームになった。 日本がどういうプレースタイルなのか把握していたつもりだったんだけど、日本がそのときとは違った戦い方をしてきたからね。 それでも勝てたのは僕がゴールをきめたから(笑)。 いやそれは冗談だよ。

まあ、正確に言えばロッペンの軽いアドバイスがあったからかな。 対日本戦の会場だったダーバンに入る前、ヨハネスブルグでショッピングしたんだけど、その途中ロッペンが僕にこう言ったんだ。

『デンマーク戦では全然走り足りなかったんじゃないか。 もっと走って、もっとシュート打っていけよ』

・・・・ロッペンは(怪我で2試合欠場)ベンチから試合を観て冷戦に分析していたんだろう。 もちろん、ファンマルバイク監督からも似たような指示はあった。 でもロッペンからさりげなく言われると、胸がじんときてね。 おまけに

『お前はインテルであれだけの仕事をして、チャンピオンズリーグで優勝したんだから、堂々と、ビシッとシュート打てよ』

なんて言われると、怪我で出場を我慢しているコイツの分まで頑張らないと、って気持ちになったんだ。 コイツがピッチに立てるまで勝ち続けて、出場出来るようになったら、思い切りフラストレーションを発散してもらうって(笑)。」

「今のオランイエ(オランダ代表)の良いところは、若い時からずっと一緒にフレーしてきた仲間がいるから、何でも気兼ねなく話せることなんだ。 キャンプの雰囲気もずっと良いし、チームの一体感こそが、今のオランイエの最大の武器だと思う。 そして注目して欲しいのが守備の安定。 オランイエは攻撃的なチームだと言われるし、僕自身も攻撃的サッカーが大好きだ。 かといって、守備が脆くては攻撃もままならない。 ・・・手堅く勝ち続けてこられたのは、最終ラインが致命的なミスを犯すことなく、後方から攻撃陣を支えてくれたからだ。」

日本代表はこの大会前に守備固めに守備4+アンカー(阿部選手)で5人をさいた。 4人の中盤と2人のFWというスタイルはなくなり、1トップ、2ウィング、2守備的MFという布陣。 ここで大会直前まで調子を上げることのできなかった中村俊輔選手の先発入りはなくなっていた。 1トップの本田選手が守備が得意でもないし、また攻撃能力温存のためにもさせないようにするには、守備もしながら、ドリブルでボールをキープして攻撃参加というどちらかというとSB的動きがウィングに求められ、大久保選手と松井選手の出番。

中村俊輔選手を入れると、彼の動きに合わせて盾にもなり、パスも出せ、連動もできる選手を揃える必要があるし(それをオシムさんは完成させようとした形)、そうなると1トップの本田選手は孤立し、フォローはできないために機能せず。 だから岡田監督は本田選手に賭けた・・・ということ。

今後、日本代表のシステムに5人の守備配置というのは(強豪相手には)手放せないだろうし、攻撃と中盤部分の5人の配置をどうするかということか。 フォルランやロッペンのような絶対的ストライカーが出現すれば、それへのパスの供給源としてパス回しでゲームを支配するスペイン代表やバルサのような(オシムさんや岡田監督が最初に目指した)黄金の中盤にするか、そうでない場合は、パスは守備的MFに任せて、3トップ気味で個人技に頼るか。

スペイン代表対オランダ代表の決勝戦での優勝の行方も、今後の日本代表の目指すスタイルにも影響する。


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