2014年WC対イラク戦、ジーコ監督健在なり。 ザック・ジャパンは決定力不足は改善せず

2012年9月11日　浦和スタジアムでの対イラク戦。　スタジアムではサポーターがかなり盛り上がっていたようだが、ジーコ監督へのコールが上がったところを見ると、まだまだジーコ監督への親しみがあるようだ。

さて、そのあと、遅い夏休みをとって、いつも9月に休みをとることが多いが、東北地方、福島県の会津若松市を中心にドライブ旅行を行い、少しでもお土産などに消費して東日本震災復興への1灯を捧げてきました。　その話はまた別の機会に。

ザック・ジャパンの対イラク戦、先発メンバーでいつもとは異なっていたのは清武選手の左MFぐらいか。　ワントップには前田選手、トップ下は本田選手、右MFは岡崎選手。

一方イラク代表は、給料遅延など、また練習場所に事欠いて、友好国を渡り歩いて練習場所を確保しなければならないなど、日本代表の置かれた立場とはかなり違いがあるらしい。

ザック・ジャパンは海外組はほぼ希望通り召集できたらしいが、ジーコ監督の場合、かなり海外組の召集ができなくて、若手中心のチーム編成。　その若手中心のチームに対して、1対0という成績は、勿論2014年WCに出場するための勝ち点3をゲットするという意味では最低限で合格というところだが、2010年南アWCでリーグ突破という成績の先を見据えるためのチーム作りという点ではかなり問題が多かった。

トップ下で攻撃の中心となっているのは本田選手だが、どうしてこうも精度が悪いのか。　シュート・チャンスは長友選手、清武選手などから再三パスが出たが、対外はふかすかゴール枠をとらえていない。　いつか釜本氏も話していたが、FWなら2つのチャンスで1本はシュートを決めてほしいところ。　試合後にザック監督からも得点なしだった点について本田選手に注意が出たらしいが、ここ数年負傷時を除いて先発出場、しかも望むトップ下であるから、やはり得点への責任はあるとおもう。　本田選手が1，2点でも得点していたら、この試合の評価もかなり違ったものに。

いつも献身的な岡崎選手からのクロスに反応した前田選手。　中心より左よりであわせたところに前田選手らしがでていた。　持分とは異なる左MFで出場した清武選手、もつテクニックを遺憾なく発揮し、器用なところを証明。　横に10番の香川選手がいれば、結果につながったのではと思う。

香川選手については、ドルトムントとマンチェスターUの選手の違いにまだ慣れていないようだが、マンチェスターUとザック・ジャパンは香川選手にとって同じような問題があると思う。

ドルトムントはチーム・プレイと早いパス回しで戦うチームで、どちらかというとバルサ的ではあるが、マンチェスターUはテクニック揃いを集めて個人プレイが先にあり、尚且つ戦術的なプレイがある。　ザック・ジャパンの日本代表はここしばらくは3－4－3なのか、4-2-3-1なのか、特にDF陣の役割についてザック監督は試行錯誤していたようだが、前の岡田監督の0トップか1トップかの違いだけで、ほかは実質何の変化もないと思う。

0トップでも1トップでも本田選手のキープ力を頼んで、その間攻撃参加する選手が駆け上がってくるのを待つということだが、それはほかの選手がいつも本田選手を中心に動くということ。　香川選手が自分が動いて、たとえば、ドルトムントではチーム全体は香川選手の動きを頭に入れてチーム戦術として攻撃参加するため、香川選手は場合によっては早い段階で自ら攻撃選択も可能で得点力も増している。　 

マンチェスターUで香川選手が出場した試合の動きを見ていると、マンチャスターUもほぼ3，4人がいつも攻撃参加してPA内に駆け上がってくるが、その中にいて香川選手にボールがくることは皆無とはいわないが少ない。　トップ下に配されているのは、自分がボールを持った時にドリブルをかけたりまた、かなりの場合、ファンベルシー選手の駆け上がりを待つ香川選手だが、ここの部分で、テクニックに優れた選手が自分で得点にいく場合も多く、うまくフィットする場合もあるし、何か埋没している場合もあるというところ。マンチェスターUは戦術はあるもののバルサ的ではない。　イングリッシュ・プレミアの少ないパスで攻撃できるチャンスがあればそれを生かそうとするし、また個人技にすぐれた選手を集めているので、ドルトムント的チーム・プレイというのとは全く異質である。

本田選手か香川選手かというよりも、本田選手がシュートの精度が上がらない限り、ボランチに下げて、香川選手をトップ下にしてそのパス・ワークの連携ができる、素早く動く攻撃的MFとFWの組み合わせも考える時期に来ているのではと思う。