ソチへの道 [生きるもの]
アイス・スケートのグランプリ・ファイナル福岡が終わった。
男子は羽生選手、女子は浅田真央選手が優勝。 ショートもフリーも1位になり実力通りという結果が。
男子は日本人選手3人、女子はロシア人選手が4人という各6人がファイナルに進出という点がかなり普通ではないが、ソチ冬季オリンピック2014を目指してロシア勢は選手の強化をしてきた結果だというが、このソチ大会で現役引退を示唆している世界トップ・クラスの選手は多い。 この大会で世代交代の節目になることになるらしい。
羽生選手については、ショートもフリーも昨年ブレイクした曲を滑り込んでの出場。 カナダのパトリック・チャン選手という世界王者が無敵の強さを誇るところで、そのチャン選手を超えることができたのが素晴らしい。
アイス・スケートで2年連続で同じ曲を使うのは皆無ではないが滅多にないらしい。 昨年のブレイクの原動力が2011年3月11日の東日本大震災からの復興への強い思いがそのスケートの演技を後押しして、体力不足や若さなど荒削りの面がでていたが、それでも勢いでトップに肉薄していた。
今年の羽生選手はその滑り込みで、その演技力に深さと優雅さ、確実なテクニックを見事な流れに昇華していた進化が明らかに見て取れた。
浅田真央選手は今年のフリーが良い。 2010年のカナダのバンクーバー大会で見せていた強い決意が表情に表れていた。 タラソソワ・コーチの振り付けでラフマニノフの曲で重厚な滑り。 2010年の時はその重厚さが少し重荷になっている感があったが、2013年の浅田選手にはぴったり。 2010年に悔しい思い出で終わったバンクーバー・オリンピックの雪辱を果たす覚悟の表れと感じた。
トリプル・アクセルを女子選手のなかで唯一(現じ点では)飛ぶ浅田選手。 15,6歳の時の方が難しいジャンプを軽々跳ぶことができるのは今回のグランプリ・ファイナルでのロシア4選手のそのジャンプが証明している。
多分18歳を超えると女性らしくなるどの選手もその調整に苦労するようだが、逆にその女性らしさでトリプル・アクセルを跳ぶ勇気があるのは浅田選手だけ。
伸び盛りの15,6歳のロシア選手の滑りと比較しても浅田選手のスケートは格段に優雅さと成熟と精緻さが増している。 跳べるのは浅田選手だけなのだから、真の女王として自信を持って高く飛翔して欲しい。
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